いよてつ沿線だより資料室森松線小史 /【6】森松線の列車運行形態


【6】森松線の列車運行形態


 森松線は、既存の横河原線(当時は「平井河原線」)の途中駅である伊予立花駅を起点とする支線のような形ではあるものの、実際には横河原線を通じて松山・高浜方面に直通する形で運行していた。したがって、森松線を捉える場合、立花−森松間4.4kmの路線としてではなく、松山市−森松間5.8kmの路線として見たほうが適切だろう。
 森松線開業時の時刻表(*13)を見ると、以下のように1時間ヘッドで運転される高浜線の列車は平井・森松両方面へそれぞれ交互に直通運転している(すなわち平井河原線・森松線はそれぞれ2時間ヘッド)。

【平井・森松方面行】

高浜 ---- 632 725 832 925 この間、

両線とも

2時間ごと

運行

1925 2032 2125 2232
三津 ---- 641 735 841 935 1935 2041 2135 2241
古町 ---- 654 751 854 951 1951 2054 2151 2254
松山市着 ---- 700 757 900 957 1957 2100 2157 2300
 〃 発 602 705 802 905 1002 2002 2105 2202 ----
伊豫立花 608 712 808 912 1008 2008 2112 2208 ----
石井 617 817 1017 2017 2217 ----
森松 622 822 1022 2022 2222 ----

【高浜方面行】

森松 ---- 626 826 この間、

両線とも

2時間ごと

運行

2026 2226
石井 ---- 633 833 2033 2233
伊豫立花 ---- 642 749 842 949 1949 2042 2149 2242
松山市着 ---- 646 755 846 955 1955 2046 2155 2246
 〃 発 600 648 800 848 1000 2000 2048 2200 ----
古町 608 659 808 859 1008 2008 2059 2208 ----
三津 622 713 822 913 1022 2022 2113 2222 ----
高浜 628 721 828 921 1028 2028 2121 2228 ----

 (毎年10月より翌年3月まで終列車を運休)

 その後、横河原線の平井から横河原への延長、高浜線の電化などにより運転パターンや直通区間に変化はあるものの、横河原線松山市−伊予立花間に横河原からの列車と森松からの列車が交互に直通してくるパターンは森松線廃止まで続いた。廃止を目前に控えた1965(昭和40)年当時のダイヤ(*14)を見てみると次のように横河原・森松両線とも1時間ヘッドを基本とし、立花駅で横河原線列車と森松線列車とが行き違うダイヤとなっている。

【横河原・森松方面行】

松山市 610 639 657 728 746 815 832 859 915 944 1000 1030
立花 615 644 702 733 751 820 837 904 920 949 1005 1035
石井 650 739 826 910 955 1041
森松 655 744 831 915 1000 1046
(この間、松山市発1000〜1630の便は各線1時間毎運行)
松山市 1645 1715 1730 1800 1815 1845 1900 1930 2000 2030 2100 2130 2200 2215
立花 1650 1720 1735 1805 1820 1850 1905 1935 2005 2035 2105 2135 2205 2220
石井 1726 1811 1856 1941 2041 2141 2225
森松 1731 1816 1901 1946 2046 2146 2230

【松山市方面行】

森松 604 708 753 837 921 1004 1053
石井 609 713 758 842 926 1009 1058
立花 615 643 719 732 804 821 848 905 932 948 1015 1034 1104
松山市 619 647 723 737 809 825 852 909 936 952 1019 1038 1109

(この間、松山市着1038〜1638の便は各線1時間毎運行)

森松 1650 1735 1820 1904 1953 2053 2153
石井 1655 1740 1825 1909 1958 2058 2158
立花 1701 1719 1746 1804 1831 1849 1915 1934 2004 2034 2104 2134 2204 2234
松山市 1705 1724 1750 1809 1835 1853 1919 1938 2009 2038 2109 2138 2209 2238

 なお、この交互発着のために列車誤乗も多かったようだ。ディーゼル列車時代には特に横河原線に乗るべき人が森松線に乗ることが多かったという。これは日中なら1時間ヘッドのため松山市駅毎正時発車の列車は横河原行であるところが、45分ヘッドとなる夕方ラッシュ時には松山市駅18:00発の列車が森松行になることも影響していたらしい(*15)。

 

 上掲の森松線開業直後のダイヤは「mrmt1896.dia」、廃止直前のダイヤは「mrmt1965.dia」としてそれぞれWinDIAデータを作成しています。Windows 3.1およびWindows 95以降のユーザーの方はWinDIAプログラムを使ってご覧ください。なお、WinDIAをお持ちでない方は、FTRAIN Webの「WinDIA Web」から該当プログラムを入手できますのでこちらをご利用ください。

 

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