・いよてつ沿線だより ／Topics Index ／2001年2月のTopics(暫定版)

2001年2月のトピックス(暫定版)

[2000年12月 |1月 |2月 |3月 |4月 |5月 |6月 |7月 |8月 |9月 |10月 |11月 |12月 |2002年1月]

【2月】



■松山市3月補正予算案にノンステップバス購入補助を計上(2月22日)

　2月22日発表の松山市3月補正予算案に「交通バリアフリー法に伴い、ノンステップバス5台を購入する伊予鉄道に対する助成」として1750万円が計上されている。

※参考:
2月23日(金)付愛媛新聞第9面(地方面)


■市内電車のJR松山駅前広場乗り入れ案を提示(2月21日)

　松山市の「松山まちづくり交通計画調査策定委員会」第3回会合が2月21日にコムズで開かれ、同委員会での前回までの討議を踏まえたJR松山駅周辺の交通基盤整備案が松山市の同委員会事務局側から提案・説明され、委員会でこれが承認された。この整備案は、JR松山駅周辺鉄道高架化に伴う周辺道路の計画と駅前広場計画からなっており、駅前広場計画として、現在の東口広場を南側に拡張し、広場内に路面電車を引き込む、という案が提示されている。
　この案は「公共交通機関の結節点としての機能を高める」(新聞記事より)ものとして提示されている。

※参考:
2月23日(金)付愛媛新聞第9面(地方面)



■環境問題啓発で松山市長が電車出勤(2月21日)

　松山市では今年1月に策定した市地球温暖化対策実行計画」に基づいて新年度(2001年4月〜)から毎月21日を「プラス・エコ・デー〜環境を意識する日」とし、職員全体が環境に配慮した1日を過ごすことになっている。
　この2月からは試行期間として早速取り組みが始められ、「環境配慮のため」に「マイカー通勤自粛」ということで中村時広松山市長も市内電車5番系統(道後温泉−松山駅前)の松山駅前行き電車に乗って通勤を行った。

※参考:
2月22日(木)付愛媛新聞第11面(地方中予面)
・愛媛新聞Web「愛媛新聞：松山・中予版(2001年2月22日)」
・愛媛新聞Web「愛媛新聞：県内の主な出来事(2001年 2月21日)」
にも記事概要掲載あり。


■愛媛県知事・松山市長・JR四国社長がJR松山駅周辺整備に関し意見交換(2月20日)

　愛媛県知事・松山市長・JR四国社長がJR松山駅周辺整備に関し意見交換する「JR松山駅周辺整備事業推進懇話会」の初会合が2月20日に開かれた。
　この席上での意見交換において、今後の課題のひとつとして「JRと伊予鉄道の市内電車とのアクセスをどうするか」も出されている。
　なお、高架事業化については、県知事が5年後をメドに事業化を行いたいとしており、同時に、2014年または2017年の国体誘致を目指していることから、この時を事業完成目標年限にしている。

※参考:
2月22日(木)付愛媛新聞第11面(地方中予面)
・愛媛新聞Web「愛媛新聞：松山・中予版(2001年2月22日)」
・愛媛新聞Web「愛媛新聞：県内の主な出来事(2001年 2月21日)」
にも記事概要掲載あり。


■「夢工房　みんなの交通都市まつやま」の最終報告会「市長トーク」を開催(2月16日)

　松山市のバックアップによる、市民主体のワークショップ「夢工房　みんなの交通都市まつやま」の最終報告会「市長トーク」が2月16日(金)、松山市のコムズで行われた。夢工房は、公募参加者20人と松山市が推薦した学生・鉄道会社社員ら10人の合計30人をメンバーとして、昨年8月から、松山市の公共交通のありかたについて研究・討議を重ねてきたワークショップ。メンバー30人は、3つの班(各班10人ずつ)に分かれ、それぞれに公共交通のあり方などについて研究・討議を重ね、最後の市長トークで中村時広松山市長を前に、その成果発表を行った。
　今回の夢工房・市長トークでの提言は、松山市が進めている「歩いて暮らせるまちづくり」の交通計画策定委員会に報告される予定。

※参考:
2月18日(日)付愛媛新聞第9面(地方面)



■市内線での坊っちゃん列車運行、今秋にも実現か

　2月6日、松山市観光協会が設立した「坊っちゃん列車特別委員会」の初会合が松山市内のホテルで開かれた。この会合に出席した伊予鉄道の森本社長は「今年10月をめどに、市内電車の路線で坊っちゃん列車の営業運転を始める」ことを明らかにした。

●列車の概要

　機関車は環境面への配慮もあり、蒸気機関ではなく、ディーゼルもしくは電気で、特にディーゼルの可能性が高いとのこと(毎日新聞・産経新聞の記事によれば、ディーゼルで確定したように記されている)。ただ、演出効果として煙を出したり汽笛を鳴らすなどの工夫はされる模様(愛媛新聞・産経新聞・共同通信の記事による)。
　外観については、梅津寺パークに保存されている伊予鉄道1号機関車からスケッチし、図面を新たに書き起こすとのこと(読売新聞の記事より)。車体長は3.9m。また、客車については2種類検討されており、小型車2両編成または大型車1両編成にするとのことで、以下のような編成のいずれかになる模様(愛媛新聞による)。
車種 編成定員 客車長合計 編成長
小型車2両編成 24人 8.4m 12.3m
大型車1両編成 36人 7.0m 10.9m
　現在の市内電車の全長が11.5m〜12m(過去の車両ではモハ81号の12.3mが最長)であることを考えると、種々の地上設備面を考慮して、編成長が決まったものと思われる。
　なお、報道により客車構成などの報道内容が以下のように分かれている。
　これらの記事を総合して愛媛朝日放送Web掲載の記事の記述から考えると、客車については小型2両と大型1両の合計3両を製造し、そのうちのどちらか一方の種類のみを当面は使用する、ということになることも予想される。
　なお、車両メーカーについては
とあるところからすると、新潟鉄工が有力ではないかと思われる。
　また、費用面について、共同通信の記事では「費用など詳細は未定」とあるが、産経の記事では社長談として「通常の路面電車(約２億円)よりは割高だが、将来は増やす方向で考えたい」としている。

列車運行形態

　列車運行形態については、各社報道によると、次のような形になる模様。
　運行経路に道後温泉が含まれているのは、道後地区からの要望が強いことがあると考えられ、また松山駅前とともに観光客への利便性を考えてのことと考えられる。また、途中で松山市駅前経由としているのは、10月に松山市駅再開発ビルが完成し、これと連動させたい、との考えがあるためのようである。運行実現目標を今年10月としているのも、この関係があると見られる。

●これまでの経緯とこれからの予定

1970年代〜 市民団体がレプリカの製造に取り組むなど、復活運転に向けての動きが始まる
1999年〜 しまなみ海道開通を機会に伊予鉄道で復元の検討を開始
(読売新聞の記事による)
2000年 12月 運輸省(国土交通省)に対し、車両導入などの認可を求め協議開始(現在継続中)
12月 18日 松山市の中村時広市長が市議会答弁において、坊っちゃん列車運行実現に向けて同月より伊予鉄道と協議を開始したことを発表
2001年 1月 松山市観光協会が「坊っちゃん列車特別委員会」を設置
牧野隆史愛媛新聞社長を委員長に29人で構成
2月 6日 「坊っちゃん列車特別委員会」の初会合を開催
伊予鉄道社長が今年10月をめどに列車運転実施を発表
2月 〜 「坊っちゃん列車特別委員会」で市民の声を集約し、伊予鉄道の事業実現を支援
5月 末 車両・施設概要のまとめを完了
8月〜9月 復元車両完成
10月 列車運行開始

●実現に向けての課題

　過去にも指摘されてきているが、今回の報道でも以下のような検討課題が指摘されている。
　「費用調達」については、松山市長も、松山市観光協会も積極的であることから、行政および観光関係の企業・団体などとの協力がいかに得られるかにかかってくると思われる。
　また、運転士の養成については、免許の問題でディーゼル機関車ならば「乙種内燃」免許取得の問題、さらに実際に路線での運転習熟の問題が考えられる。特に今回は併用軌道区間での客車列車運転となるため、その習熟が非常に問題になると考えられる。
　設備面でも、現在のトロリーコンタクタ方式(架線に取り付けたセンサーがパンタグラフに反応して切り替える方式)で行っているポイント切り替えをどうするのか、道後温泉・松山市駅前・松山駅前でのそれぞれの折り返しで機回しなどをどうするのか、非常に大きい問題と思われる。
　車両面でもバリアフリー法との兼ね合いなど、国土交通省の認可を受ける際に困難が予想されるが、伊予鉄道の森本社長は「まちおこしの観点から特別に認可を受けられるよう国土交通省と話し合いを進めている」(愛媛新聞)とのことで、どのように決着がつけられるのか、今後の成行きが注目される。

※参考:
・愛媛新聞2001年2月7日(水)付朝刊第３面（総合面）
　(愛媛新聞Web「愛媛新聞：県内の主な出来事(2001年2月7日)」にも概要掲載)
・日本経済新聞2001年2月7日(水)付四国地方経済面
　（NIKKEI NET「列島ビジネス/四国」にも概要掲載
　　http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20010206cldi070606.html)
・朝日新聞2001年2月7日(水)付朝刊　第14版第35面(社会面)
・毎日新聞2001年2月7日(水)付朝刊　第13A版第25面(社会面)「雑記帳」
・読売新聞2001年2月7日(水)付朝刊　第29面(地域ニュース・愛媛版：中南予面)
・産経新聞2001年2月7日(水)付朝刊　第13版第26面(社会面)
・南海放送Web　「ＲＮＢオンラインニュース」
・テレビ愛媛Web　「ＥＢＣスーパーニュース」
・愛媛朝日放送Web　「EAT NEWS」
・共同通信ニュース速報（2001/02/06 20:26）



・2001年1月のトピックスへ
・Topics Index(1998年10月〜)へ

このページをご覧になってのご意見・ご感想・ご要望は知恵蔵／村上昌弘までどうぞ。
(mailto:chiezou.murakami@nifty.com)
別ページに用意しましたフォームを利用いただいても結構です。
［Top ｜Topics ｜現況 ｜資料 ｜Link ｜新着一覧 ｜掲示板 ｜編集室］